マイクロソフト社は、今までのOSとアプリケーション・ソフトウエアでユーザーを囲い込む方針を改めて、インターネットを軸にした新しい戦略に移行する方針です。高速インターネットが各家庭まで行き渡ると、個々のパソコンに膨大なアプリケーション・ソフトウエアを搭載しなくても、ネットを介して必要な部分だけを利用できるようになるからです。さらに、ソフトウエアをバージョンアップしても面倒な入れ替え作業が不必要となります。ソフトウエアを始め、生活・ビジネスに必要な情報をネット経由で取り出すためには、機器のほうでも、パソコン、携帯電話、情報携帯端末(PDA)などの連携が不可避となり、これらの機器で使うソフトウエアの開発競争も激化しています。さらに、マイクロソフト社の持つOSでの圧倒的な支配力も、新しい無料のOSであるL・lnuxとの競争が予測されますので、将来がどう展開するかは予断を許しません。
データ通信でもっとも信頼性が高いのは、それぞれが一対一に直接、電線でつながっていることです。しかし、実際には多数の端末があるので、途中の回線は「相乗り」をしなくてはなりません。そこで、あたかも端末とコンピュータが一対一に直接つながっているような状態をつくりだすことが、データ通信には求められました。これを、専門用語で「バーチャル・サーキット」(仮想的回線)といいますが、このような事情は、電話網をはじめとした既存の通信はみな同じです。インターネットでは、この「回線である」ということを仮想的につくり出すしごとは、つながるコンピュータにまかせてしまっています。「回線である」とは、それはこちらと相手を一本の管でつないだように、こちらから送った情報は、必ず向こう側へ出ていかなければいけないし、向こう側から送った情報も、こちら側に出てこなければいけない。しかも、送ったのと同じ順番で、漏れなく、滞りなく伝わらなければいけないということです。実は、このような状態をつくり出すために、既存のデータ通信は、たいへん多くの作業をしているのです。
戦後の日本の産業は、まさにその産業構造下の勝者であったと言える。だが、インターネットの社会はそういう構造とは異なり、小さな社会・コミュニティーがつながり合って生まれる無数のトラフィック(通信の数)の中から価値が作り出されていく社会であり、網(ネット)が細かくなっていくにつれ、社会・コミュニティーはより小さく、個々人のつながりに近づいていく。インターネットとは、これが本流なのである。楽天の収益モデルを地方の名産、グーグルを個人商店とたとえてみたが、「楽天からグーグルへ」を見ると、時代を経るごとに網が細かくなり、細かくなったその網の上で新たなビジネスが興っていることが実感されるだろう。現在のインターネット社会をざっくりつかんだ言葉にウェブ2.0がある。グーグルもウェブ2.0サービスの一つととらえられているが(楽天のモデルはウェブ2.0と言われる)、そのウェブ2.0の代表的なサービスと言われるブログ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、個々人のつながりそのもの(ニッチな趣味を共有し合うおたく同士のつながり合い?)であるし、ピア・トゥ・ピア(P2P)のインターネット電話「スカイプ」もそう。